2011年5月3日火曜日

着慣れた人に見せる着付け

日本人の誰もが着物を着ていた頃、たとえば江戸時代に着付け教室が存在したかどうかは存じませんが、たぶん母親に着せてもらっているうちに自然に身に着いたものではないかと想像できます。だとすれば、あの頃の着付けは、母親によってバラエティーに富んだもので、みなさん個性的な着付けをされていたのではないでしょうか。きちんと着たい人もいれば、そうでない人もいたと思います。現代においても、人それぞれに似合う、いろんな着付けがあってもいいと考えます。着付け家は「着せてもらいました」という着付けではない、人それぞれ着慣れた人に見える着付けサービスを目指しています。私たちは舞台上で役者の演技を助ける後見人、つまり黒子です。(お客様の着物姿を宣伝に利用しない理由でもあります。)